由井寅子大会長からのメッセージ

日本再生は自然な農林業と自然な心 京都シンポジウム開催に向けて

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 東日本大震災以降、毎春開催してきた「日本の農業と食のシンポジウム」。2017年4月2日(日)に京都商工会議所(京都市内)で開催することとなりました。

 昨年の大会の「医」「食」「農」「健」、「心」に加え、地球本来の生態系に戻すため、自然林再生など環境の面にも焦点を当てた大会にしたいと思います。

 最近私が特に感じることは、「森や山を自然に戻さなければならない」ということです。森林がしっかりしていないと川を流れるミネラル豊富な良い水もつくられません。その川の水は海へ行きます。栄養の少ない水が海へ行くと魚や海草たちも育ちません。また、森林の木々が少なくなると大気の浄化や人間の出すネガティブなエネルギーの浄化がしきれなくなってしまいます。森林は人間を自然に戻す源ではないかと思います。そこで、豊受グループの自然回帰のための活動として、日本豊受【自然林】株式会社を設立することになりました。

 これは、広葉樹の森林の再生、復興という事業に取り組んでいくためです。二酸化炭素が増えることは、温暖化に限らず、生態系、また私たちの生存にも大きな影響を与えている重要な問題となります。

 例えば、古来日本は、本州のあたりは「クスノキ」など常緑広葉樹(照葉樹)や、木の実や落ち葉で森に豊かな実りをもたらす「クヌギ」や「ブナ」、「クリ」など落葉広葉樹、これら広葉樹の森林がもっと広がり、その木の実やどんぐりが鳥や動物たちの食糧となり、落ち葉が土壌菌や虫たちとの栄養となって、豊かな森の土壌を育んできました。このようにして日本各地に、その土地、土地にあった植生で森林が広がっていたのです。

 しかし、どんどん広葉樹を伐採し、「スギ」や「ヒノキ」、「マツ」など木材として売れる針葉樹ばかりを積極的に植林した結果、広葉樹の森林が少なくなくなってしまいました。このような状態になると、良質な土も育ちませんし餌も少なく動物も少ない森になってしまいます。それでは豊かな森、水、川にならないのではないかと思います。安心・安全な食の提供もありますが、本当の豊かさとは何だろうと考えたとき、たとえば田んぼであれば、昆虫がいて、カエルがいて、鳥がいて、そんな生命に溢れた場所があるということかなと思って自然農を始めました。森も同じように生命に溢れた山を復興したいという思いがあり自然林も始めた次第です。

 2017年の日本の農業と食のシンポジウムのテーマは「自然回帰 ― 日本再生は自然な農林業と自然な心」とし、皆さまとともに自然な農林業と自然な心のあり方について考える意義あるシンポジウムにしたいと思います。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

第6回日本の農業と食のシンポジウム 大会長
日本豊受自然農株式会社 代表
由井寅子